2014年7月2日水曜日

【TIG】 水漏れ部の溶接方法

補修工事等で水が洩れている所を溶接しないといけない時があります。

その際の溶接のやり方を紹介します。

全部に応用が利くと思うので、パイプでの横向でのやり方の紹介です。



まず、注意点から始めます。

・下や、横から本溶接を開始しない。

・下部には仮付しない。

の2点です。



次に溶接方法です。

・水洩れの無い(少ない)上部から下に向かって溶接していきます。

※基本的に2層仕上げになるので見た目はあまり気にしない。

なぜ上から溶接をするのかと言うと、溶接すると水は蒸発します。

その蒸気は上へ上へ行こうとするので、溶接を横から行ってしまうと上部の溶接が困難になります。

後は、単純に洩れ箇所の下部から溶接なんてできる訳が無いからです。

周りの水分を蒸発させながら下へ進んでいかないと溶接が行えません。



今書いた事は現場では、まず教えてくれません。

ので、参考にして下さい。

2014年6月10日火曜日

【TIG】 試験 結果発表!!

前回受けた【T-1F】と【T-1P】の結果を発表しておきます。

「受かりました!!」

溜めも無くあっさり言いました。

まず落ちていたら書きませんしね・・・。

それに試験程度で落ちたら一旦激凹みしてから、このブログを書いているのが恥ずかしくて消しています・・・。

試験を受けてきた①試験を受けてきた②、で書きましたが【T-1F】でのアクシデントもありながらでも受かるんです。

これから受けようと思っている人がいれば受かる気になってもらえると思います。

気負わずに軽い気持ちで行きましょう。

【TIG】 TN-P 練習の為だけの治具

【TN-Pの為の治具】

TN-Pの練習の為だけの治具の紹介。


  治具②

丸い蓋を上下セットで2個作ります。

絵は丸ですが、形は丸でも四角でもどっちでもいいです。

真ん中に空いている穴は仮付したパイプを治具の間に挟み、ボルトで固定する為の穴です。

下の治具にはもう1つ穴が空いています。

この穴はガスを入れる為の穴です。 

この穴にはカプラのオスかメスを溶接してバックシール用のホースにカプラの相手を取り付けるとホースが抜ける心配もなくなりホースを気にせず溶接が行えます。

2014年6月5日木曜日

【TIG】 TN-F 裏波 出し方 練習法

意外に需要があるみたいなので、TN-F(基本級)の練習法を紹介します。

TIG溶接(ステンレス)の基本級

【練習材料】

TN-Fの試験材の板厚は3mmなので3mm程度の板を用意しましょう。

【開先・ルート面】

開先は板厚がないので気にしなくても大丈夫です。

 ルート面は1.6mm以上でないといけないので2mm程度にしておきましょう。

【仮付】

仮付けは裏面にしておきましょう。

表面の方が良ければ表面でも可。

理由はありませんが私は裏面派です。

【練習用治具】

板の練習はパイプと違って治具が必要になります。

 なので練習用の治具の制作をしましょう。

【治具の例】
   治具

例えばこうゆう箱を作って丸の部分にホースを入れてガスを入れられる様にする。

すると箱に溜まったガスが上の隙間から出ようとするのでバックシールができます。

※板を固定できるようにすると溶接がやりやすくなります※  

例①・上面に穴を開けタップを立てて練習材の端を板で押さえられるようにする。 

例②・アングルを上面に溶接し、さらにナットを溶接する。それからボルトで押さえつけて固定する。

やり方は色々あるので、自分でやり易い形にしましょう。

【裏波】

電流は100A程度、棒無しで走ります。 そしたら裏波は出ます。

【2層目】

1層目のビートをワイヤーブラシでよく磨きましょう。

※試験ではグラインダーは使用できません※

それから2層目はいつも通り溶接しましょう。

【裏技】

TN-Pの裏波の出し方でも書きましたが、1層目を入れる時にシールドガスを大量に出すと酸化を抑えられるので2層目が溶接しやすくなります。

  ※バックシールでは無くシールドガスです※

逆にバックシールは出し過ぎると溶接途中で爆発します!!!

爆発!?っと気になる方は実験してみて下さい。

2014年6月3日火曜日

【TIG】 T-1Fの練習

これはT-1Fの試験前に行った練習です。
普段はパイプで裏波を出すことはあっても、板で裏波を出す事が無いので不安になり練習しました。
本番では板厚を間違えてて焦りましたけどね。(笑)
その話の詳細は前の記事を見て下さい。
取り敢えずパイプが厚かったような記憶があったので6tの板を使いました。
試験では無く溶接の条件で合う時があれば参考にして下さい。


溶接後の結果報告です。


「感想」
やってみて思ったのはパイプより板の方が難しいんじゃないかって事です。
板は丸みが無いので棒が送りにくいんですよね・・・。
裏波出すにもチャンネル等の台が必要になりますし・・・。
なんしか板は難しいって事ですね。
あと、溶接中の映像が撮れれば良かったのですが光しか映らないのでやめました。
こんな材料で裏波を出すときの参考になればして下さい。
試験やったらT-2Fとかがこれぐらいの厚みかもしれません???

2014年4月25日金曜日

【TIG】 T-1P・1Fの試験を受けてきた②

ではアクシデント等について書いていきます。
実は私T-1Fは厚みがもっとあるものだと思っていました・・・。
なので当日マジであせりました。 取り敢えず仮付を済ませました。
そして溶接で歪むだろうと軽く折っておいたんです。
そして説明が終わり言われたブースに入り、本溶接やろうと思ったら板を付ける際の台がない(裏波を出すのでチャンネルか治具等)そしてセラミックとタングステンが無い!!!
ので試験監に言いに行きもらいました。
それから本溶接をしだしたんですが本体で電流をいじっても電気が下がらない!!!
故障か??っと思いつつそのまま溶接をやりました。
電流高かったのでローリングでは無く浮かして付けました・・・。
板の溶接が終わってからリモコンで電流を上げ下げ出来る事に気がつきました・・・。
そして溶接後の板を見て・・・・ 折ったのが戻っていない!!!
・・・折ったのは失敗でした・・・
溶接後・・・なぜ折ったと後悔・・・
焦りました・・・
基本級で落ちるかな?? ってマジで考えました・・・。
それがコレです。
IMG_0806
でも結果的に外観試験を通ったので良かったです。
パイプは板に比べたら大丈夫でした。
いつものトーチと違うのでやりにくかったですけど・・・。
こんな感じです。(左が横向き、右が縦向きです)
IMG_0814IMG_0814
この時の裏波がこれです。
IMG_0813
今回は凄くハラハラした試験でした。
あと私のように常時コイルエレメント(首が曲がるようにする為の部品)を使用しているトーチを使用している人は気を付けて下さい。
試験場にあるトーチはコイルエレメント無しです。
凄く、真剣に、ベラボーにやりにくいです。

2014年4月24日木曜日

【TIG】 共付のコツ

共付は棒を使わず溶接を行う事です。
最初に共付を行う際の注意点とコツを紹介します。
・まず共付は裏に出やすい為、花が咲きやすい溶接法です。
「注意点」
例として、2tのSUSの板をT字に仮付し、両面を共付でフル溶接するとします。
この場合、最初の注意点は仮付です。
「仮付」
仮付は最も裏に出やすい溶接です。
電流はできるだけ弱めに調整しておきましょう。
「花を咲かせないためのコツ」
※両面をフルで走るので裏に出ると、後の溶接がメチャクチャやりにくくなるので花を咲かせない様に電流調整の際はまず、電流を下げておき、徐々に上げて電流を合わせます※
電流を合わせたら極力母材に熱をかけない様に素早く仮付します。
電流を合わせたとしても、母材に熱をかけ過ぎると意味が無くなるので素早く行いましょう。
「本溶接」
今回の材料は2tと比較的薄めの材料の設定です。
なので、「共付+フル溶接」を行うと花が咲く可能性が高く、T字なので花が咲いた後、グラインダー等で削り落とすのも大変です。
では花を咲かせない為のコツですが、私は電流を少し高めに調整し手を早く動かす様にしています。
共付とは言っても仮付の際、隙間ができている所もあるので必ず細めの棒を持っておきましょう。
「紹介のみ」
こういった溶接の場合にパルスの機能を使うと良いらしいですが、私はパルスの機能は使いません。
なので使い方が気になる方はどう使って溶接するのか調べてみて下さい。

【TIG】 電流調整のコツ

※溶接は電流の調整で仕上がりが決まるといってもいいぐらい電流の調整は大事です。
自分の手の速度にあった電流を見つける事を第一にするべきだと私は思っています。
勘違いしている人もいてますが、手の速度というのは早くしようと思って早くなるものではありません。
実際に人が教えていた例でこんなのがあります。

例・「私が思う悪い教え方」
・先輩が高めの電流に調整し、その電流で綺麗な溶接をしろと言う。(その後の電流調整はありませんでした)
まともな溶接できなかったら手が遅いから出来ないんだ、早くしろと言う。
高い電流の方が仕事が早い、だからこの電流で溶接の練習をしろと言う。

こんな練習方法では実際に早くなったとしても外観がメチャクチャで綺麗な溶接は望めません!!!
実際に教えている人の溶接は「時間重視の外観悪し」でした。
溶接というのは早ければ良いという物では無いと私は思っています。
それに勘違いしている人も多いですが、電気屋でもない限り電流が高ければ溶接の速度が速くなるわけでもありません!!!
電気屋はプロで、溶接で飯を食べてるから高い電流で早い手の速度で溶接ができるんです。
なので綺麗に早くが理想ですが、「早く」がダメなら「まずは綺麗」にを目指しましょう。

「自分にあった電流を探すコツ」
※自分にあった電流というのはSUSの厚みが3mm程度の材料で探すと見つかりやすいです※
まず低めの電流から徐々に上げて行きましょう。
逆に高めの電流から下げる方法は電流高めで落ち着いてしまうのでダメです。
材料が溶ける速度と自分の手の速度に無理が無い状態で、棒を入れて酸化しなければ、それが今の自分にあった電流です。
最初は電流が低いのがストレスに感じることもありますが慣れる迄の辛抱です。
慣れると手も早くなってくるので電流を上げた人とあまり時間が変わらないようになります。
手首にも負担が少なくなるので今までよりも溶接ができるようになります。

【TIG】 T-1P・1Fの試験を受けてきた①

T-1FとT-1Pの実地試験を受けてきました。
更新だけならT-1Pだけで良かったのですが更新の手続を忘れていた為、再度受け直しという形になりましたのでT-1Fも受けてきました。
学科は免除です。
試験を受けてみて良かったと思った事があります。
T-1Fの板厚が分かったことです。
前に受けたのがだいぶ前なので真剣に忘れてたんです・・・。(笑)
材料の写真がこれです。
試験材①
パイプと板の写真ですがT-1Fの板厚は3mm程度しかありませんでした。
パイプは100Aのs/20ぐらいでしょうか?
SGP(ガス管)よりも厚みがあったように思います。
 「試験受付~仮付」
試験は9:00~説明があり9:30~実技試験なんですが、8:00~9:00迄に受付を済ませてゼッケンをもらい試験材の仮付をしないといけません。
かなり混雑するので早めに行くようにした方がいいです。
終われば説明までは待機になります。
板は見ていませんがパイプは、検査員の人が仮付をチェックして治具を取り付けてくれます。
溶接方向を間違えると失格になるので治具の取付をしてくれてるんだと思います。

実地試験時の内容は②に書きます。
今回はアクシデントが多かったです・・・。

2014年3月23日日曜日

【TIG】 ローリング

今回はローリングを自分目線で録画してみました。

参考になればいいんですが・・・。

自分がやっている時の感じと比べてみてください。




2014年1月27日月曜日

【TIG】 溶接不良

溶接不良について書いていきます。

溶接不良とは欠陥の事です。

まずTIG溶接でおきる溶接不良を上げていきます。

①・ピンホール

②・アンダーカット

③・オーバーラップ

④・酸化

ではこれらの説明と対策を書いていきます。

「ピンホール」

これは溶接部に小さい穴が開いた状態の事です。

新規で作る場合はほとんど出る事はありませんが、補修等で溶接した際に出ることがあります。

「対策」

補修等で溶接する際は材料をグラインダー等でしっかり磨き、母材を綺麗にして溶接をしましょう。

手を抜くとピンホールができたりします。

「アンダーカット」

これは溶接部の端が凹んでいる(えぐれている)状態です。

SUSではほとんど見かけませんが、鉄の配管ではよく見かける欠陥です。

凹んでいる部分の母材が薄くなるのでダメです。

見た目も悪いですしね・・・。

「対策」

棒の送りが足りないか、電気が高いので

①・電気を落とす。

②・棒を送る量を増やす。

の2点です。

「オーバーラップ」

これは溶接の溶け込み不良で肉が母材の上に乗っかっている状態の事です。

これも架台等でアングル等を溶接した際に、溶接しにくかった所でよく出ます。

「対策」

これの一番の原因は、溶接部が見えていないという事です。

母材が溶けているのを確認して溶接していないからおきます。

なので、どれだけやりにくくても溶接部は確実に見える体勢でやりましょう。

「酸化」

これは母材に熱をかけ過ぎた状態。

鉄では目立たないので大丈夫ですが、SUSでは溶接が真っ黒になるのですぐに分かります。

この状態になった溶接は最悪です。

もっと練習しましょう。

「対策」

①・電気を低くする

②・手のスピードを上げる。

この2点のどちらかです。